「ワー!マイキー リターンズ!」
2004年8月17日 映画
2004/08/15 東京恵比寿 東京都写真美術館ホールでベルリン映画祭出品記念「ワー!マイキー リターンズ!」を観た。
製作総指揮・編集・脚本:石橋義正
監督・撮影・編集:立川晋輔
脚本:佐藤佐吉、杉岡みどり、江村耕市
わたしはその時まで自ら能動的に「ワー!マイキー リターンズ!」を観る事は無いだろうと思っていた。
しかし、先日お話したように現在恵比寿のみで上映している「華氏911」を観る為、恵比寿ガーデンシネマに行ったのは良いのだが、なんと4時間以上も後の回の整理券しかゲットできなかったのである。
その辺(恵比寿ガーデン・プレイス)で買い物をしたりして時間を潰しても良かったのだが、折角恵比寿に来たのだからと、近くにある東京都写真美術館の無料展示でも見ようかな、とふらふらと美術館に行ってみた。
なんとそこには、わたしも大好きな「マイキーご一行様」がオールスターキャストで鎮座ましましていらっしゃったのである。
運命を感じたわたしは、無料展示何するものぞと、いそいそとチケット売り場に並んでしまったのである。
印象は、『良くも悪くも「オー!マイキー」である』というものだった。
「オー!マイキー」は、皆さんご承知のように、深夜のテレビ番組「バミリオン・プレジャー・ナイト」から独立したテレビ・シリーズで、全ての登場人物をマネキン人形で表現したブラック・コメディである。
手法的には「サウスパーク」や先日紹介した”Team America: World Police”のような「かわいらしい素材でブラックな笑いを表現する」と言う、ありがちなものなのだが、表情は笑ったままで全く動かないマネキン人形を俳優として使う事により、観客のイマジネーションを刺激する素晴らしい作品に仕上がっている。
これは表情に乏しい(と思われがちの)日本人を揶揄しているのかもしれないし、はたまた日本古来の伝統芸能のひとつである「能」を現代の味付けで表現しているのかも知れない。
ところで、わたしが「オー!マイキー」(「フーコン・ファミリー」)を最初に見たのは、「バミリオン・プレジャー・ナイト」の中だったと思うが、その際の衝撃は今でも忘れられない。
シニカルでブラックな内容はともかく、先ずはクリエイターの発想と演出(撮影と編集)に驚きを隠せなかった。
そしてこの作品は、一流のエンターテインメント作品であると同時に、映像クリエイターを目指す人々に対し、ひとつの明確な可能性や指針を提示している、とも思えたのである。
逆に言うと、映像クリエイターを目指す者にとっては、嫉妬を感じさせる作品だったのである。
「あぁ、こんな手があったのか」と。
事実、わたしは取りあえず「オー!マイキー」系の映像作品の制作を志し、バービーやリカちゃん、ケンやワタルくんを購入すべきか、ブライス系にしようか、それともレゴにすべきか、ガンダムにしようかと真剣に悩んだ事を覚えている。
そう考えると、2000年に発売されたレゴの「LEGO Studios」も映像クリエイター心をくすぐる凄い商品だったのだろうと思うのだ。
そんなこんなで、少なくても本作「ワー!マイキー リターンズ!」はマネキン人形をフィーチャーした、ただのブラックなコメディではなく、クリエイター心を刺激する素晴らしい作品だと言えるのだ。
「オー!マイキー」
http://www.tv-tokyo.co.jp/oh-mikey/
LEGO、スピルバーグと提携した夢の映画製作キットを発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/05/15/08.html
★私信★ 浜乙女 さま
お褒めいただき光栄です。
ところで、「スチーム・ボーイ」については、私見ですが、各方面で「ラピュタのパクリだろ」と言う一言で片付けられてしまうことが多いと感じています。
しかし、この作品はその一言で切り捨てるには惜しい作品だとわたしは思っている訳です。
とは言うものの、最近は書きたい事が山盛りで、「スチーム・ボーイ」についての文章は少し先になるかも知れませんが、お待ちいただければ幸いです。
かく言うわたしもご承知のように、浜乙女さんの文章を楽しみにしているひとりでございます。これからも楽しい文章を期待しています。
製作総指揮・編集・脚本:石橋義正
監督・撮影・編集:立川晋輔
脚本:佐藤佐吉、杉岡みどり、江村耕市
わたしはその時まで自ら能動的に「ワー!マイキー リターンズ!」を観る事は無いだろうと思っていた。
しかし、先日お話したように現在恵比寿のみで上映している「華氏911」を観る為、恵比寿ガーデンシネマに行ったのは良いのだが、なんと4時間以上も後の回の整理券しかゲットできなかったのである。
その辺(恵比寿ガーデン・プレイス)で買い物をしたりして時間を潰しても良かったのだが、折角恵比寿に来たのだからと、近くにある東京都写真美術館の無料展示でも見ようかな、とふらふらと美術館に行ってみた。
なんとそこには、わたしも大好きな「マイキーご一行様」がオールスターキャストで鎮座ましましていらっしゃったのである。
運命を感じたわたしは、無料展示何するものぞと、いそいそとチケット売り場に並んでしまったのである。
印象は、『良くも悪くも「オー!マイキー」である』というものだった。
「オー!マイキー」は、皆さんご承知のように、深夜のテレビ番組「バミリオン・プレジャー・ナイト」から独立したテレビ・シリーズで、全ての登場人物をマネキン人形で表現したブラック・コメディである。
手法的には「サウスパーク」や先日紹介した”Team America: World Police”のような「かわいらしい素材でブラックな笑いを表現する」と言う、ありがちなものなのだが、表情は笑ったままで全く動かないマネキン人形を俳優として使う事により、観客のイマジネーションを刺激する素晴らしい作品に仕上がっている。
これは表情に乏しい(と思われがちの)日本人を揶揄しているのかもしれないし、はたまた日本古来の伝統芸能のひとつである「能」を現代の味付けで表現しているのかも知れない。
ところで、わたしが「オー!マイキー」(「フーコン・ファミリー」)を最初に見たのは、「バミリオン・プレジャー・ナイト」の中だったと思うが、その際の衝撃は今でも忘れられない。
シニカルでブラックな内容はともかく、先ずはクリエイターの発想と演出(撮影と編集)に驚きを隠せなかった。
そしてこの作品は、一流のエンターテインメント作品であると同時に、映像クリエイターを目指す人々に対し、ひとつの明確な可能性や指針を提示している、とも思えたのである。
逆に言うと、映像クリエイターを目指す者にとっては、嫉妬を感じさせる作品だったのである。
「あぁ、こんな手があったのか」と。
事実、わたしは取りあえず「オー!マイキー」系の映像作品の制作を志し、バービーやリカちゃん、ケンやワタルくんを購入すべきか、ブライス系にしようか、それともレゴにすべきか、ガンダムにしようかと真剣に悩んだ事を覚えている。
そう考えると、2000年に発売されたレゴの「LEGO Studios」も映像クリエイター心をくすぐる凄い商品だったのだろうと思うのだ。
そんなこんなで、少なくても本作「ワー!マイキー リターンズ!」はマネキン人形をフィーチャーした、ただのブラックなコメディではなく、クリエイター心を刺激する素晴らしい作品だと言えるのだ。
「オー!マイキー」
http://www.tv-tokyo.co.jp/oh-mikey/
LEGO、スピルバーグと提携した夢の映画製作キットを発表
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/05/15/08.html
★私信★ 浜乙女 さま
お褒めいただき光栄です。
ところで、「スチーム・ボーイ」については、私見ですが、各方面で「ラピュタのパクリだろ」と言う一言で片付けられてしまうことが多いと感じています。
しかし、この作品はその一言で切り捨てるには惜しい作品だとわたしは思っている訳です。
とは言うものの、最近は書きたい事が山盛りで、「スチーム・ボーイ」についての文章は少し先になるかも知れませんが、お待ちいただければ幸いです。
かく言うわたしもご承知のように、浜乙女さんの文章を楽しみにしているひとりでございます。これからも楽しい文章を期待しています。
コメント