2004/08/14 東京有楽町よみうりホールで「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」の試写を観た。
 
山深い伊賀の里で忍者としての修行を積む服部カンゾウ(忍者ハットリくん/香取慎吾)は父服部ジンゾウ(伊東四朗)から最後の修行を命じられる。
それは、伊賀忍者の掟(主以外の者には決して姿を見せてはならぬ。守れなければ破門!)に従いながら現代の江戸で暮らすというもの。

やがて東京に辿り着いたハットリくんは、平凡で退屈な毎日を送り、家庭でも学校でも存在感の薄い小学三年生の三葉ケンイチ(知念侑李)を主として選ぶのだった・・・・。

監督は鈴木雅之、脚本はマギー(元ジョビジョバ)。
甲賀忍者でハットリくんのライバルであるケムマキに(ゴリ/ガレッジセール)、ケンイチが憧れるミドリに田中麗奈、甲賀忍者黒影に升毅、謎の事件を捜査する田原刑事に宇梶剛士、忍者好きの柏田刑事に東幹久、ケンイチの両親に浅野和之と戸田恵子。
 

第一印象としては、ソツなく仕上がった楽しいファミリー・ムービーと言ったところである。
事実今回の試写は土曜日の夕方と言うこともあり子供多く、細かいギャグや仕草、極端なキャラクターやカメオ出演者(大杉漣、瀬戸朝香、乙葉、西村雅彦、川田広樹、草なぎ剛等)の登場にいちいち笑いが起こっていた。

前述のように会場には子供が多かったため、香取慎吾の主題歌「HATTORI3(参上)」の大合唱になるのでは、と危惧していたのであるが、それは杞憂だった。
尤も会場の子供たちは世代的にアニメ「忍者ハットリくん」を知らない世代だと思うのだ。

脚本は子供向けの感は否めないし、展開がベタでキャラクター設定も単純な印象を受けるが、マギーらしい細かい点に配慮され、よく出来た評価できる面白い脚本に仕上がっている。
お笑い的には、子供たちにも充分理解できる所謂「天丼」系のネタが多用されているのが印象的である。

特に宇梶剛士と東幹久の刑事コンビの取調室から忍者ネタまでのシークエンスが素晴らしい。
しかし、折角なのだから宇梶剛士が食べていたのは「ラーメン」ではなく「天丼」にして欲しかったのだ。

また脚本の本筋は知念侑李演じるケンイチの成長物語が主となっているが、これも子供にわかりやすいものとなっており、好感が持てる。

とは言うものの、伊東四朗、香取慎吾、ゴリ等の演技はバラエティ番組等のコントの延長線上にある印象は否めない。
しかし、脇を固める宇梶剛士や東幹久の刑事コンビや、ケンイチの両親浅野和之と戸田恵子は存在感があり、ドラマに深みを与えている。

あとは気になるのは、フジテレビ系作品の悪い癖(例えばハッピー・コーラへの異常なコダワリやSATの登場等)が若干見え隠れしていた。

キャストで良かったのはなんと言っても、ゴリだろう。
脚本的にも非常に美味しく、俳優開眼の予感すら感じられる。
喋らなくても存在感があり格好良いケムマキ・ケンゾウ像が嬉しい。

トータル的には、音楽は若干オーバースコアで、キャストはオーバーアクト、VFXはイマイチ、コメディだけでは無い「何か」が感じられる作品なだけに若干残念な気がした。

あと感心したのは、「隠れ蓑の術」の布がリバーシブル(表は石畳、裏は竹薮)になっていたり、その布をたたんだ上で懐に仕舞っていたりする点が良かった。

誰にでも手放しでオススメできる訳ではないが、家族揃って楽しめるファミリー・ムービーに仕上がっているのは事実である。
是非劇場で観て欲しいし、主題歌の大合唱もOKなのだ。ニン!
 

余談だが、田中麗奈を連れて行ったハイキングのロケ先は、わたし達がMTBでよく行く峠だった。  

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tkr

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