まずは、こちらの記事を読んで欲しい。
マイケル・ムーアの「華氏911」を観るのか?と記者団に問われた日本国首相の対応である。

「華氏911」…偏った映画、と首相が不快感
 イラク戦争とブッシュ米大統領を痛烈に批判して話題となっている米映画「華氏911」について、小泉首相は2日夕、「政治的な立場が偏った映画は、あんまり見たいとは思わないね」と不快感を示した。

 首相は映画好きで知られ、この週末も東京・築地の映画館に出かけてエルビス・プレスリーの映画を観賞したばかり。だが、今月中旬から日本でも一般上映される「華氏911」について、記者団が「見に行く予定は」とただすと、首相は言下に「計画はないですね」。

 「監督のマイケル・ムーア氏は大統領に追随したとして、首相も批判しているが」との記者団の指摘にも、「ブッシュ批判、小泉批判、批判ばかりしてもいいことはないんじゃないの」と憤まんやるかたない様子だった。

 「華氏911」は、今年5月のカンヌ映画祭で最高賞「パルムドール」に選ばれた。全米公開後は記録的ヒットを続ける一方、政治的色彩が濃い作品として、保守系の市民団体などが反発している。(読売新聞)  [8月2日22時58分更新]


前提として、わたしは日本国首相が「華氏911」に対して語った全てのコメントを読んでいる訳ではありません。つまり、わたしは前後の脈絡なしに、マスコミが公表した日本国首相のコメントに接していると言う事になります。

また、わたしは、マスコミは自らの政治的立場により、視聴者や読者をコントロールし、都合の良い解釈に達するよう、自分たちにとって都合の良い部分だけを編集し公表している可能性が否定できない事を知っています。

まあ、そんな中、感じた事をつらつらと書いてみようと思うのだ。

「政治的な立場が偏った映画は、あんまり見たいとは思わないね」

このコメントから、われわれ日本人の指導者である日本国首相は、

1.「華氏911」を今現在観ていない。
2.「華氏911」は政治的立場が偏っている、と考えている。

という点がわかります。
つまりわれわれの指導者である日本国首相は、「自分の眼より、マスコミの報道を信用している」ということがわかります。

また日本国首相はおそらく「エルビス・オン・ステージ SPECIAL EDITION」を観た帰りに記者団に対し「華氏911」に対するコメントを発したのだと思うのだか、「エルビス・オン・ステージ SPECIAL EDITION」を観た、と言う事は日本国首相はエルビス・プレスリーが政治的に偏っていない、と考えているようです。

まあ、わたしが日本国首相だったら「華氏911」を観た上で「くだらない」とか「ばかばかしい」、「嘘っぱちだ」とかコメントすると思います。

「ブッシュ批判、小泉批判、批判ばかりしてもいいことはないんじゃないの」

こんな言葉を思い出した。
「厳しい批評のみが映画を良くする」
(フランソワーズ・トリフォーだったかジャン・リュック・ゴダールだったか忘れたが、どちらかが語った言葉として伝えられているもの)

勿論、日本国首相の言葉とは、批判と批評の差はあるものの、一般的に、批判・批評の目的は、その対象物またはその対象物のカテゴリー、または将来の対象物やカテゴリーをより良くする為なのである。

厳しい映画批評も、厳しい政治批評も結局は、映画や政治または映画界や国、将来の映画や映画界、政治や国を良くする為のものだ、と言う事なのである。

われわれの指導者である日本国首相は残念ながら、その辺りを全く理解していないようである。

もしわたしが日本国首相だったら、お追従より批評や批判を大切に傾聴すると思います。

ついでにこんな寓話を思い出しました。

あるところに賢い王様と愚かな王様がいました。

愚かな王様は、良い知らせを持ってきた家来に金貨を与え、悪い知らせを持ってきた家来の首を刎ねました。

賢い王様は、良い知らせを持ってきた家来に銀貨を与え、悪い知らせを持ってきた家来に金貨を与えました。

なぜなら、良い知らせより悪い知らせの方が重要だと賢い王様は知っていたからです。
 
 
 
「華氏911」
http://diarynote.jp/d/29346/20040816.html

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