2004/07/23 東京六本木 ギャガ・コミュニケーションズ試写室で、「ヴァン・ヘルシング」を観た。

時は19世紀、ヨーロッパ中に殺人者としてその名をとどろかせるヴァン・ヘルシング(ヒュー・ジャックマン)は、実はモンスター・ハンターとしての顔を持っていた。

「ジキル博士とハイド氏」の事件を解決したヘルシングは、ローマ・バチカンの秘密組織の命を受け、修道僧カール(デヴィッド・ウェンハム)とともにドラキュラ伯爵(リチャード・ロクスバーグ)が住むトランシルバニアへと旅立った。

そこでヘルシングは、代々ドラキュラ一族と戦い続けている一族の末裔アナ(ケイト・ベッキンセール)と出会う。
そこへ、コウモリ状の翼膜を持ったドラキュラ伯爵の花嫁達が空から襲い掛かってきた。

本作はユニバーサル映画が自社で版権を持つモンスター達を一同に集めて製作したアクション娯楽大作映画である。

登場するモンスターやキャラクターは、(ジキル博士と)ハイド氏、ドラキュラ伯爵とその花嫁たち、ウルフマン(狼男)、フランケンシュタイン博士とフランケンシュタインの怪物等々。

監督・脚本・製作は「ハムナプトラ」シリーズのスティーヴン・ソマーズ、出演はヒュー・ジャックマン、ケイト・ベッキンセール、ウィル・ケンプ、リチャード・ロクスバーグ、デヴィッド・ウェンハイム。
音楽はアラン・シルベストリ。

本作は一言で言うと、最近ありがちなCGI満載のアクション娯楽大作映画であり、モンスターを人間が退治する、またはモンスター同士が戦うアクション映画と言う観点からは、「ブレイド」シリーズや「アンダーワールド」、「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」等の傾向を持つ作品だと言えよう。

また物語の構成からは「007」シリーズのような印象をも受ける。
事実修道僧カール(デヴィッド・ウェンハム)は「007」シリーズの秘密兵器研究開発を行っている「Q」のような役柄をも担っている。

ついでに、本作は「ヴァン・ヘルシング」は、ヘルシングが各地でモンスターを退治する連作シリーズの1エピソードのようなパターン構成を持っている。

簡単に言うと、次のような構成になっているのだ。

オープニング・アクションでモンスターを退治したヘルシングは、バチカンに戻り、新たな指令を受け、新秘密兵器の説明を聞き、現地に旅立ちメインのモンスターと対峙する、と言う構成なのだ。
つまり「007」か「インディ・ジョーンズ」か、というような構成なのだ。

脚本はおそらくシリーズ化の構想があったのか、ヘルシングの過去の秘密や謎に対する明確な回答をせず、次回に持ち越し的な印象を受けた。

キャストは、ヒュー・ジャックマンは「X−メン」シリーズと若干かぶる部分があるが、新たなヒーロー像の創出に成功している。
「ヴァン・ヘルシング」というキャラクターは、フランシス・フォード・コッポラの「ドラキュラ」ではアンソニー・ホプキンスが演じているのが興味深いかも。

ケイト・ベッキンセールも同様に「アンダーワールド」系かも知れないが、強くて美しいヒロインを好演している。

またデヴィッド・ウェンハムは、猫背にして身長を小さく見せ、コミカルで小心者な役を好演し、新境地をひらいていると言えるだろう。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのファラミア役より生き生きとした魅力的なキャラクターとなっている。

さて敵役のリチャード・ロクスバーグだが、残念ながら役不足と言わざるを得ない。ドラキュラ伯爵は年齢不詳なのであるから、往年の大俳優の起用等が必要だったのではないだろうか。
因みに前述のコッポラの「ドラキュラ」ではゲイリー・オールドマンがドラキュラ伯爵を演じている。

さて、「マトリックス」以降(本来は「ジュラシック・パーク」以降と言うべきなのか)、使いどころを誤ると、確実に映画をダメにするCGIという手法であるが、本作も例によってCGI大爆発である。

「ハルク」同様、映画の見せ場で登場するキャラクターが、全てCGキャラクターである、という状況は、果たして映画というメディアに取って良いことなのだろうか、と考えさせられる瞬間である。

そろそろCGIについて本気で考えなければならない時期に差し掛かっているのではないかと思うのだ。何しろ特撮は手法ではなく、効果なのであるから。

余談だが、冒頭のハイド氏のシークエンスは、「ノートルダムの鐘」のカジモドを髣髴とさせる。
というかリスペクトなのだろうか。パロディなのだろうか。

またフランケンシュタイン博士とフランケンシュタインの怪物(シュラー・ヘンズリー)のシークエンスがベタだが涙を誘うし、ケイト・ベッキンセールがフランケンシュタインの怪物に「Thank you」というシークエンスも泣かせる。

お笑いはデヴィッド・ウェンハム、お涙はシュラー・ヘンズリーが担当ということなのだろうか。

音楽はアラン・シルベストリだが、ダニー・エルフマンが若干入っているようである。
また世界観はダニー・エルフマン繋がりでティム・バートンの世界観や美術の影響が見て取れるような気がする。

特にエンディング・クレジットはティム・バートン系で個人的には好みである。

本作は今年の秋の超大作娯楽作品という扱いであろうし、おそらく多くの観客を満足させる作品なのだと思うが、わたし的には退屈な普通の娯楽作品というような印象を受けた。

何も考えないで映像と音楽に身を任せる種類の映画は退屈で仕方が無いのだ。

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tkr

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