2004/07/22 東京九段下、日本武道館で行われた『「サンダーバード」ジャパン・スーパー・プレミア 〜V6&トレイシーボーイズ ARE GO!!〜』に行ってきた。
舞台挨拶は監督のジョナサン・フレイクス、アラン役のブラディ・コーベット、スコット役のフィリップ・ウィンチェスター、ジョン役のレックス・シャープネル、ヴァージル役のドミニク・コレンソ、ゴードン役のベン・トージャーセン、そして日本語吹替版の声優と主題歌を担当するV6、司会は襟川クロ。
元NASAの宇宙飛行士で億万長者のジェフ・トレイシー(ビル・パクストン)は、とある無人島(トレイシー・アイランド)を拠点に世界的科学者ブレインズ(アンソニー・エドワーズ)と4人の息子(スコット、ジョン、ヴァージル、ゴードン)と共に国際救助隊IR(インターナショナル・レスキュー)を組織、ブレインズが開発した最新鋭メカ「サンダーバード」を駆使し世界中の災害救助活動を行っていた。
そんなトレイシー家の末っ子でまだ学生のアラン(ブラディ・コーベット)は、世界中で活躍する家族を誇りに思い、自分も早く国際救助隊の正式な隊員になりたいと願っていた。
ところがある時、悪漢フッド(ベン・キングスレー)の策略で起こされた(と思われる)、ロシアの油田火災事故に出動したサンダーバード1号に、フッドの部下がケミカル発信器をしかけ、その結果トレイシー・アイランドの所在地がフッドに知られてしまう。
フッドは、衛星軌道上にあり、世界中の災害情報を調査分析する宇宙ステーション(サンダーバード5号)をミサイル攻撃する。ジェフ、スコット、ヴァージル、ゴードン等は、サンダーバード3号でサンダーバード5号のジョンの救助に向かう。
フッドはジェフ等不在の隙をつき国際救助隊の中枢部トレイシー・アイランドの乗っ取りを謀る。
トレイシー・アイランドに残されたアランは親友のファーマット(ソレン・フルトン)、ティンティン(ヴァネッサ・アン・ハジェンス)と共に、フッドの野望を阻止し、衛星軌道上のジェフ等を救出するため立ち上がった。
一方ロンドン・エージェント レディ・ペネロープ(ソフィア・マイルズ)は国際救助隊の危機を独自に察知、執事で運転手のパーカー(ロン・クック)と共にトレイシー・アイランドへ向かう。
一言で言うと本作「サンダーバード」は、往年のスーパー・マリオネーション作品「サンダーバード」の世代が、自分の子供等を連れて劇場に足を運び親子揃って「サンダーバード」を体験『パパが子供の頃の「サンダーバード」は人形劇だったんだよ』『へぇ〜、でも今の「サンダーバード」の方が格好良いよね』というような家族団欒の一助として機能する良質なファミリー・ムービーに仕上がっている。
と言うものの、大人のファンが満足できる作品ではなく子供達は大活躍、大人はたじたじと言った「スパイ・キッズ」シリーズのような傾向を持った作品である。
おそらく本作の最大のコンセプトは、親子の「サンダーバード」体験の共有だろうし、その為キャラクター同士の関係や設定は旧作のそれを踏襲している。
トレイシー一家の設定や構成は勿論、フッドとキラノの関係やペネロープやパーカー、ブレインズといった脇役の設定も全てそのままであるしメカ設定やコンセプトも旧作同様であった。
例外として、旧作に登場しないブレインズの息子ファーマットの存在。あとは旧作の日本語版ではミンミンと表記されていたキラノの娘がオリジナル版同様ティンティンとなっていた点くらいであろうか。
わたしは、旧作と同設定、同コンセプトで本作を制作する話を聞いた際、それだったら何故わざわざリメイクする必要があるのか、と否定的な意見を持っていたのだが、親子の「サンダーバード」体験の共有、を考えると、同設定、同コンセプトでリメイクする必要性があった事に気付かされてしまった。ジョナサン・フレイクスは正しかった、という事である。
あとトリビアとしては、旧作「サンダーバード」では国際救助隊のメカや隊員を撮影する事は禁じられており、その救助場面が本作のようにテレビ中継されるとはもってのほかなのだ。
さて、本編だが、先ずオープニング・クレジットが素晴らしい。最近流行のフラッシュアニメーション系のクレジットなのだが、物語の舞台背景(国際救助隊は毎日毎日世界中で人命救助してるが、アランは毎日毎日学校に通っている)をアニメーションでしっかり描いている。
更に、サンダーバード・メカが橋や建物の倒壊を防いだり、火山の噴火や津波を防いでいるとその橋や建物、火山や津波がスタッフやキャストのクレジットになっている、という効果的で素晴らしいクレジットなのだ。これを観るだけでも、この映画を観た甲斐がある、というような近年稀に見る素晴らしいクレジットだと思うのだ。
脚本については、最大の問題点として、「サンダーバード」の最大のコンセプトは、「国際救助隊が災害や事故現場で人命を救助する」というもので、決して「敵と戦う」というものではないのだから、本作のような脚本(フッドに島を押さえられ、フッドと国際救助隊が戦う)はいかん、と言う点である。更に国際救助隊を国際救助隊の準メンバーが助ける、というのもどうかと思うのだ。
その災害救助のシークエンスは冒頭と、ラストにおざなり程度にあるだけなのだ。
本来は災害救助のシークエンスに多くの時間を割くべきだと思うし、本編は95分なのだから、もう少しメカの見せ場である災害救助シーンを入れて欲しかった。
キャストはベン・キングスレーを始めとしたフッド一味、ブレインズ、レディ・ペネロープとパーカーが良かった。
トレイシー一家や主役3人組は期待通りの印象である。
ところで舞台挨拶だが、内容はともかくイベントとしては結構バジェットを使ったよく出来たイベントだった。
日本語版声優と主題歌をつとめるV6の主題歌熱唱で幕を開けた舞台挨拶は、会場を埋め尽くしたV6ファンの異様な熱気に包まれた訳である。わたしはアリーナ席の前から8〜9列目位に居たのだが、舞台挨拶の冒頭はV6のコンサート状態で、周りの席からV6の顔がプリントされた団扇が沢山出てきたのには正直驚いた。
トレイシーボーイズとジョナサン・フレイクスは、それぞれ吹替を行ったV6のメンバーとハグしつつ登場(監督はパパね)、それぞれ並んでステージに立ち、キャストも半ばV6に向けられた歓声に楽しい思いをしたのではないだろうか。彼等若い実績の無いキャストは、これほどの歓声(半分以上はV6向けだが)に囲まれたのは初体験だと思うし、興奮し高揚している様が好意的に感じられた。
できれば、V6ファンの皆さんも、トレイシーボーイズのファンになっていただければ幸いだと思った。
ジョナサン・フレイクスもV6のステージ・アクトを見て、次回作はV6を起用したダンス・シーンを入れる、という発言もあった。
驚いたのは、正面スクリーンに投影されたレーザー光線のアートワークである、レーザー光線で描かれたサンダーバードのメカがモーフィング的効果で、キャスト名や役名に変化していくのである。(サンダーバード1号>スコット・トレイシー>フィリップ・ウィンチェスターという具合)
ジョナサン・フレイクスやキャストも楽しい日本の思い出が出来たのではないだろうか。
舞台挨拶は監督のジョナサン・フレイクス、アラン役のブラディ・コーベット、スコット役のフィリップ・ウィンチェスター、ジョン役のレックス・シャープネル、ヴァージル役のドミニク・コレンソ、ゴードン役のベン・トージャーセン、そして日本語吹替版の声優と主題歌を担当するV6、司会は襟川クロ。
元NASAの宇宙飛行士で億万長者のジェフ・トレイシー(ビル・パクストン)は、とある無人島(トレイシー・アイランド)を拠点に世界的科学者ブレインズ(アンソニー・エドワーズ)と4人の息子(スコット、ジョン、ヴァージル、ゴードン)と共に国際救助隊IR(インターナショナル・レスキュー)を組織、ブレインズが開発した最新鋭メカ「サンダーバード」を駆使し世界中の災害救助活動を行っていた。
そんなトレイシー家の末っ子でまだ学生のアラン(ブラディ・コーベット)は、世界中で活躍する家族を誇りに思い、自分も早く国際救助隊の正式な隊員になりたいと願っていた。
ところがある時、悪漢フッド(ベン・キングスレー)の策略で起こされた(と思われる)、ロシアの油田火災事故に出動したサンダーバード1号に、フッドの部下がケミカル発信器をしかけ、その結果トレイシー・アイランドの所在地がフッドに知られてしまう。
フッドは、衛星軌道上にあり、世界中の災害情報を調査分析する宇宙ステーション(サンダーバード5号)をミサイル攻撃する。ジェフ、スコット、ヴァージル、ゴードン等は、サンダーバード3号でサンダーバード5号のジョンの救助に向かう。
フッドはジェフ等不在の隙をつき国際救助隊の中枢部トレイシー・アイランドの乗っ取りを謀る。
トレイシー・アイランドに残されたアランは親友のファーマット(ソレン・フルトン)、ティンティン(ヴァネッサ・アン・ハジェンス)と共に、フッドの野望を阻止し、衛星軌道上のジェフ等を救出するため立ち上がった。
一方ロンドン・エージェント レディ・ペネロープ(ソフィア・マイルズ)は国際救助隊の危機を独自に察知、執事で運転手のパーカー(ロン・クック)と共にトレイシー・アイランドへ向かう。
一言で言うと本作「サンダーバード」は、往年のスーパー・マリオネーション作品「サンダーバード」の世代が、自分の子供等を連れて劇場に足を運び親子揃って「サンダーバード」を体験『パパが子供の頃の「サンダーバード」は人形劇だったんだよ』『へぇ〜、でも今の「サンダーバード」の方が格好良いよね』というような家族団欒の一助として機能する良質なファミリー・ムービーに仕上がっている。
と言うものの、大人のファンが満足できる作品ではなく子供達は大活躍、大人はたじたじと言った「スパイ・キッズ」シリーズのような傾向を持った作品である。
おそらく本作の最大のコンセプトは、親子の「サンダーバード」体験の共有だろうし、その為キャラクター同士の関係や設定は旧作のそれを踏襲している。
トレイシー一家の設定や構成は勿論、フッドとキラノの関係やペネロープやパーカー、ブレインズといった脇役の設定も全てそのままであるしメカ設定やコンセプトも旧作同様であった。
例外として、旧作に登場しないブレインズの息子ファーマットの存在。あとは旧作の日本語版ではミンミンと表記されていたキラノの娘がオリジナル版同様ティンティンとなっていた点くらいであろうか。
わたしは、旧作と同設定、同コンセプトで本作を制作する話を聞いた際、それだったら何故わざわざリメイクする必要があるのか、と否定的な意見を持っていたのだが、親子の「サンダーバード」体験の共有、を考えると、同設定、同コンセプトでリメイクする必要性があった事に気付かされてしまった。ジョナサン・フレイクスは正しかった、という事である。
あとトリビアとしては、旧作「サンダーバード」では国際救助隊のメカや隊員を撮影する事は禁じられており、その救助場面が本作のようにテレビ中継されるとはもってのほかなのだ。
さて、本編だが、先ずオープニング・クレジットが素晴らしい。最近流行のフラッシュアニメーション系のクレジットなのだが、物語の舞台背景(国際救助隊は毎日毎日世界中で人命救助してるが、アランは毎日毎日学校に通っている)をアニメーションでしっかり描いている。
更に、サンダーバード・メカが橋や建物の倒壊を防いだり、火山の噴火や津波を防いでいるとその橋や建物、火山や津波がスタッフやキャストのクレジットになっている、という効果的で素晴らしいクレジットなのだ。これを観るだけでも、この映画を観た甲斐がある、というような近年稀に見る素晴らしいクレジットだと思うのだ。
脚本については、最大の問題点として、「サンダーバード」の最大のコンセプトは、「国際救助隊が災害や事故現場で人命を救助する」というもので、決して「敵と戦う」というものではないのだから、本作のような脚本(フッドに島を押さえられ、フッドと国際救助隊が戦う)はいかん、と言う点である。更に国際救助隊を国際救助隊の準メンバーが助ける、というのもどうかと思うのだ。
その災害救助のシークエンスは冒頭と、ラストにおざなり程度にあるだけなのだ。
本来は災害救助のシークエンスに多くの時間を割くべきだと思うし、本編は95分なのだから、もう少しメカの見せ場である災害救助シーンを入れて欲しかった。
キャストはベン・キングスレーを始めとしたフッド一味、ブレインズ、レディ・ペネロープとパーカーが良かった。
トレイシー一家や主役3人組は期待通りの印象である。
ところで舞台挨拶だが、内容はともかくイベントとしては結構バジェットを使ったよく出来たイベントだった。
日本語版声優と主題歌をつとめるV6の主題歌熱唱で幕を開けた舞台挨拶は、会場を埋め尽くしたV6ファンの異様な熱気に包まれた訳である。わたしはアリーナ席の前から8〜9列目位に居たのだが、舞台挨拶の冒頭はV6のコンサート状態で、周りの席からV6の顔がプリントされた団扇が沢山出てきたのには正直驚いた。
トレイシーボーイズとジョナサン・フレイクスは、それぞれ吹替を行ったV6のメンバーとハグしつつ登場(監督はパパね)、それぞれ並んでステージに立ち、キャストも半ばV6に向けられた歓声に楽しい思いをしたのではないだろうか。彼等若い実績の無いキャストは、これほどの歓声(半分以上はV6向けだが)に囲まれたのは初体験だと思うし、興奮し高揚している様が好意的に感じられた。
できれば、V6ファンの皆さんも、トレイシーボーイズのファンになっていただければ幸いだと思った。
ジョナサン・フレイクスもV6のステージ・アクトを見て、次回作はV6を起用したダンス・シーンを入れる、という発言もあった。
驚いたのは、正面スクリーンに投影されたレーザー光線のアートワークである、レーザー光線で描かれたサンダーバードのメカがモーフィング的効果で、キャスト名や役名に変化していくのである。(サンダーバード1号>スコット・トレイシー>フィリップ・ウィンチェスターという具合)
ジョナサン・フレイクスやキャストも楽しい日本の思い出が出来たのではないだろうか。
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