2004/07/18 東京渋谷、渋谷公会堂で行なわれた「マッハ!」のマスコミ試写に行って来た。
舞台挨拶は、主演のトニー・ジャー、ムエ役のプワマーリー・ヨートガモン、 監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ、トニー・ジャーの師匠で今作の武術指導をつとめたパンナー・リットグライ。
また当日は、舞台挨拶だけではなく、トニー・ジャーによるムエタイの演舞(?)、トニー・ジャーとガッツ石松との対決、トニー・ジャーと共に本作に出演したアクション・チームとのムエタイや映画で行なわれたようなアクションの再現等のデモンストレーションが行なわれた。
そんなトニー・ジャーの身体能力は素晴らしく、特に跳躍能力は目を瞠るものがあった。
例えば、助走も何もなしで、まるで歩いているような軽い動作からのバク転的な跳躍は同じ人間の動きとして信じられないものがあった。
敬虔な仏教徒たちが暮らす、タイののどかな田舎の村ノンプラドゥ。
村を数々の災いから救ってきた神聖な守り神「オンバク」が作られてから24年、その記念式典の夜、「オンバク」の首が切り落とされ盗まれてしまう。
犯人は、コム・タン(スチャオ・ポンウィライ)率いるバンコクの密輸団と手を組むこの村出身のドン(ワンナキット・シリプット)だった。この事件を災いの前兆と見なし、村人たちは悲嘆に暮れ、大きな災いの到来に怯えていた。
村の長老たちは「オンバク」の首の奪還を計画、孤児のティン(トニー・ジャー)は自ら「オンバク」の首の奪還を決意する。彼は僧侶プラ・クルに師事し、古式ムエタイを極めた最強の戦士だった。
村の切なる希望を託されたティンは、早速ドンの捜索にバンコクへと向かい、同郷のハム・レイ(ペットターイ・ウォンカムラオ)を探しはじめる。
ハム・レイはバンコクではジョージと名乗り、ムエ(プワマーリー・ヨートガモン)と組んでイカサマ賭博や詐欺に手を染めており、ティンは、そんなジョージに騙され「オンバク」捜索のため、村人が集めた善意のお金を奪われてしまうが・・・・。
先ずは、本作のキャッチ・コピーにもある五つの公約の実現に驚きである。
一、CGを使いません
二、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイを使います
そして、なんと言ってもアクションである。
トニー・ジャーのムエタイ・アクションは、ブルース・リーやリー・リン・チェイ(ジェット・リー)、そしてジャッキー・チェン等のアクションの方向性と異なり、硬軟使い分けたアクションは、言うならばブルース・リー ミート ジャッキー・チェンと言う感じであろうか。
街中の追跡劇や机や椅子のような道具を使ったアクションはジャッキー・チェンの全盛期を髣髴とさせ、またムエタイでのバトル・アクションはブルース・リー等の一撃必殺系のアクションのような印象を感じる。
特に顔や頭に容赦なく当てる一撃必殺の肘や膝の打撃には驚かされるし、冒頭の「オンバク」の衣装の争奪戦のシークエンスでも、俳優達はワンカットで木から地面に平気で落ちて行くのだ。
編集で誤魔化すのではなく、ワンカットで木から地面に落ちる潔さに感動してしまう。
また街中の追跡劇では、トニー・ジャーの跳躍能力の素晴らしさが如何なく発揮されている。
別撮カメラで同じアクションを複数のカメラで2度ずつ見せるのは映画としてどうかと思う部分がある反面、リアルなアクション感の創出に一役買っている。
こういった手法はジャッキー・チェンの大技アクションを2度見せるような編集が行なわれているのだが、本作ではそれが多用されており、純粋なアクション映画としての好印象を与えているのではないだろうか。
この本作「マッハ!」におけるアクション・スター トニー・ジャーの登場は、今後の活躍の予感はともかく、ブルース・リーやジャッキー・チェンが出てきた時のような興奮を覚えるのである。
脚本は大きな捻りも無く、観客の誰もが想像するある意味予定調和的なものだが、バンコク市内の麻薬密売や国宝級の仏像の密売、地下カジノや地下格闘賭博と言った現代の魔都バンコクが抱える問題点と、田舎の村のピュアで純朴な部分との対比が素晴らしい。
特にヒロインであるムエ役のプワマーリー・ヨートガモンの役柄(姉は麻薬の密売人でジョージと共にイカサマ賭博や詐欺をはたらいている)が現代バンコクの問題点を描いており、興味深い。
また、主要キャラクターの全てが立っており、全てのキャラクターが生き生きと描写されているのも、好印象である。
アクションとしては、先ず、蹴りを主体としたアクション映画と言えば、個人的にはジェット・リーの「キス・オブ・ザ・ドラゴン」やジャッキー・チェンの「酔拳2」辺りが印象的だが、今回の「マッハ!」ではムエタイ特有のアクロバティックで美しい蹴りを主体としたアクションが楽しくも美しい。
また、街中のアクションは全盛期のジャッキー・チェンを髣髴とさせる素晴らしいシーンの続出で、非常に楽しいものを感じる。
そして勿論、CGIやワイヤー・アクションを使わないムエタイ・アクションは正にアクションの原点とも言える素晴らしいものがある。
よく言われるのだが「リポビタンD」の「ファイト一発!」のCFが所謂特撮が使われるようになってから面白くなくなった、と言われるが、逆にCGIを使わなくなってから面白くなってきた、そんな感覚を感じられる素晴らしいアクション映画に仕上がっている。
キャストとしては、なんと言っても、ジョージ(ハム・レイ)役のペットターイ・ウォンカムラオだろうか。
コメディ・リリーフを演じつつ、感動のツボをも観客に与える良い所を持っていってしまう系の役柄である。
主演のトニー・ジャーは「マッハ!」と共にブレイクする予感は感じられるが、今後のキャリアとしては、若干の不安を感じてしまう、良い意味で「マッハ!」を打破する次のキャリアを期待するのだ。
ヒロイン ムエ役のプワマーリー・ヨートガモンは典型的なアクション映画のヒロインで取り立てて見る部分は無いが、非常に魅力的で今後の活躍が期待できる。
本編ではホーイッシュな役柄だったが、実際の彼女は非常にフェミニンな感じだった。
とにかく、もしこの夏、映画を一本だけ観ると言うならば、映画の原点とも言えるアクションを楽しめる本作「マッハ!」を一番にオススメするのだ。
舞台挨拶は、主演のトニー・ジャー、ムエ役のプワマーリー・ヨートガモン、 監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ、トニー・ジャーの師匠で今作の武術指導をつとめたパンナー・リットグライ。
また当日は、舞台挨拶だけではなく、トニー・ジャーによるムエタイの演舞(?)、トニー・ジャーとガッツ石松との対決、トニー・ジャーと共に本作に出演したアクション・チームとのムエタイや映画で行なわれたようなアクションの再現等のデモンストレーションが行なわれた。
そんなトニー・ジャーの身体能力は素晴らしく、特に跳躍能力は目を瞠るものがあった。
例えば、助走も何もなしで、まるで歩いているような軽い動作からのバク転的な跳躍は同じ人間の動きとして信じられないものがあった。
敬虔な仏教徒たちが暮らす、タイののどかな田舎の村ノンプラドゥ。
村を数々の災いから救ってきた神聖な守り神「オンバク」が作られてから24年、その記念式典の夜、「オンバク」の首が切り落とされ盗まれてしまう。
犯人は、コム・タン(スチャオ・ポンウィライ)率いるバンコクの密輸団と手を組むこの村出身のドン(ワンナキット・シリプット)だった。この事件を災いの前兆と見なし、村人たちは悲嘆に暮れ、大きな災いの到来に怯えていた。
村の長老たちは「オンバク」の首の奪還を計画、孤児のティン(トニー・ジャー)は自ら「オンバク」の首の奪還を決意する。彼は僧侶プラ・クルに師事し、古式ムエタイを極めた最強の戦士だった。
村の切なる希望を託されたティンは、早速ドンの捜索にバンコクへと向かい、同郷のハム・レイ(ペットターイ・ウォンカムラオ)を探しはじめる。
ハム・レイはバンコクではジョージと名乗り、ムエ(プワマーリー・ヨートガモン)と組んでイカサマ賭博や詐欺に手を染めており、ティンは、そんなジョージに騙され「オンバク」捜索のため、村人が集めた善意のお金を奪われてしまうが・・・・。
先ずは、本作のキャッチ・コピーにもある五つの公約の実現に驚きである。
一、CGを使いません
二、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイを使います
そして、なんと言ってもアクションである。
トニー・ジャーのムエタイ・アクションは、ブルース・リーやリー・リン・チェイ(ジェット・リー)、そしてジャッキー・チェン等のアクションの方向性と異なり、硬軟使い分けたアクションは、言うならばブルース・リー ミート ジャッキー・チェンと言う感じであろうか。
街中の追跡劇や机や椅子のような道具を使ったアクションはジャッキー・チェンの全盛期を髣髴とさせ、またムエタイでのバトル・アクションはブルース・リー等の一撃必殺系のアクションのような印象を感じる。
特に顔や頭に容赦なく当てる一撃必殺の肘や膝の打撃には驚かされるし、冒頭の「オンバク」の衣装の争奪戦のシークエンスでも、俳優達はワンカットで木から地面に平気で落ちて行くのだ。
編集で誤魔化すのではなく、ワンカットで木から地面に落ちる潔さに感動してしまう。
また街中の追跡劇では、トニー・ジャーの跳躍能力の素晴らしさが如何なく発揮されている。
別撮カメラで同じアクションを複数のカメラで2度ずつ見せるのは映画としてどうかと思う部分がある反面、リアルなアクション感の創出に一役買っている。
こういった手法はジャッキー・チェンの大技アクションを2度見せるような編集が行なわれているのだが、本作ではそれが多用されており、純粋なアクション映画としての好印象を与えているのではないだろうか。
この本作「マッハ!」におけるアクション・スター トニー・ジャーの登場は、今後の活躍の予感はともかく、ブルース・リーやジャッキー・チェンが出てきた時のような興奮を覚えるのである。
脚本は大きな捻りも無く、観客の誰もが想像するある意味予定調和的なものだが、バンコク市内の麻薬密売や国宝級の仏像の密売、地下カジノや地下格闘賭博と言った現代の魔都バンコクが抱える問題点と、田舎の村のピュアで純朴な部分との対比が素晴らしい。
特にヒロインであるムエ役のプワマーリー・ヨートガモンの役柄(姉は麻薬の密売人でジョージと共にイカサマ賭博や詐欺をはたらいている)が現代バンコクの問題点を描いており、興味深い。
また、主要キャラクターの全てが立っており、全てのキャラクターが生き生きと描写されているのも、好印象である。
アクションとしては、先ず、蹴りを主体としたアクション映画と言えば、個人的にはジェット・リーの「キス・オブ・ザ・ドラゴン」やジャッキー・チェンの「酔拳2」辺りが印象的だが、今回の「マッハ!」ではムエタイ特有のアクロバティックで美しい蹴りを主体としたアクションが楽しくも美しい。
また、街中のアクションは全盛期のジャッキー・チェンを髣髴とさせる素晴らしいシーンの続出で、非常に楽しいものを感じる。
そして勿論、CGIやワイヤー・アクションを使わないムエタイ・アクションは正にアクションの原点とも言える素晴らしいものがある。
よく言われるのだが「リポビタンD」の「ファイト一発!」のCFが所謂特撮が使われるようになってから面白くなくなった、と言われるが、逆にCGIを使わなくなってから面白くなってきた、そんな感覚を感じられる素晴らしいアクション映画に仕上がっている。
キャストとしては、なんと言っても、ジョージ(ハム・レイ)役のペットターイ・ウォンカムラオだろうか。
コメディ・リリーフを演じつつ、感動のツボをも観客に与える良い所を持っていってしまう系の役柄である。
主演のトニー・ジャーは「マッハ!」と共にブレイクする予感は感じられるが、今後のキャリアとしては、若干の不安を感じてしまう、良い意味で「マッハ!」を打破する次のキャリアを期待するのだ。
ヒロイン ムエ役のプワマーリー・ヨートガモンは典型的なアクション映画のヒロインで取り立てて見る部分は無いが、非常に魅力的で今後の活躍が期待できる。
本編ではホーイッシュな役柄だったが、実際の彼女は非常にフェミニンな感じだった。
とにかく、もしこの夏、映画を一本だけ観ると言うならば、映画の原点とも言えるアクションを楽しめる本作「マッハ!」を一番にオススメするのだ。
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