7月1日映画の日、会社を休んだわたしは、このままではおそらく見逃してしまうだろう「スターシップ・トゥルーパーズ2」と「セイブ・ザ・ワールド」を観たのだ。

で、今日は「スターシップ・トゥルーパーズ2」の話。

人類と昆虫型生物=バグズとの激しい闘いは続いていた。
その頃の地球連邦軍は、テレパス能力を持ち作戦を立案するサイキックと、実戦を担当する兵士達によって構成されていた。

シェパード将軍(エド・ローター)率いる地球連邦軍の中隊は、辺境の惑星でバグズの猛攻に苦しめられていた。
シェパード将軍の指示で、わずかに生き残った兵士達は将軍とわずかな兵士達を戦場に残し、廃墟と化したかつての前線基地に撤退する。
そこには、上官殺しの罪でダックス大尉(リチャード・バージ)が監禁されていた。

基地に逃げ込んだ部隊は、バグズの猛攻に、一縷の望みをかけたサハラ二等兵(コリーン・ポーチ)の独断で解放されたダックス大尉の活躍で一度は攻撃を退ける事に成功する。
そして基地の復旧を進めているうち、昏睡状態のソーダ二等兵(ケリー・カールソン)を連れた、シェパード将軍とグリフ伍長(エド・ケイン)、そしてペック技術軍曹(J.P.マノウ)らが基地に逃げ込んでくる。
当初は協力してバグズの迎撃に備える彼らだった。が、一方バグズは人間に寄生し人間を操る術を身につけていた・・・・。

本作は、ポール・ヴァーホーヴェンの傑作「スターシップ・トゥルーパーズ」の続編、というか外伝的物語であり、前作で共同製作、特撮監修を務めたフィル・ティペットが監督を務めている。

フィル・ティペットは古くは「スター・ウォーズ」旧三部作や「ロボ・コップ」シリーズ、「ジュラシック・パーク」等の特撮を手がけた根っからの特撮マンで、かつては、手工業的で有機的で味わいがある特撮の手法であるストップ・モーション・アニメーションの神様レイ・ハリーハウゼンの正当な後継者と言われるほどのストップ・モーションのエキスパートだったが、当初はストップ・モーションで恐竜をアニメートする予定だった「ジュラシック・パーク」が、ほぼ全編CGIで恐竜を描くことになり、時代遅れの技術しか持たないティペットのキャリアが危ぶまれていたのだが、デジタルVFXの世界でも自分のキャリアを生かす術を見つけ、様々な作品に携わり、様々な賞を受賞しつつ現在にいたっている。

まあ、フィル・ティペットのプロフィールはともかく、本作はポール・ヴァーホーヴェンの「ロボ・コップ」系のシニカルなテイストを持つ上、前作「スターシップ・トゥルーパーズ」のバグズの大群とのバトルも楽しめるし、「ヒドゥン」や「遊星からの物体X」的楽しみも出来る、一粒で二度以上楽しめるお得な作品に仕上がっている。

しかし、残念ながら本作は前作のような超大作ではなく、低予算テイスト溢れるながらも、背筋の延びたスピリッツみなぎる意欲作になっている。
作品のテイストには一本きちんと筋が通っているし、脚本にも破綻は無く、低予算ながらも第一級の娯楽作品として仕上がっている。
但し残念なことに、予算の関係だろうか、艦隊戦シーンはほとんど無く、物語の戦闘の全てが地上戦で完結する、というのがなんとも寂しい。

とは言うものの、結局は第一線の監督達と共に多くの傑作に携わっているフィル・ティペットなだけに、演出も正攻法で初監督作品とは言え、ソツなくこなしており、鑑賞に堪えうる作品に仕上がっている。

多分、一般のお客さんはほとんど入らないと思うのだが、劇場公開してくれるに本の配給会社に感謝を捧げつつ、楽しんでいただきたいのだ。

ところで、本作の原題は、"STARSHIP TROOPERS 2: HERO OF THE FEDERATION"、その辺のシニカルな部分も是非味わっていただきたいのだ。

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tkr

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