東京新橋「ヤクルトホール」で行なわれた「フォーチュン・クッキー」の試写会に行ってきた。

一言で言うと、誰にもおすすめできる、大変面白いコメディ映画だった。特に新旧ロック・ファンにおすすめなのだ。

わかりやすく例えるならば、「転校生」ミート「バック・トゥー・ザ・フューチャー」という感じ。

因みに本作「フォーチュン・クッキー」は、1976年のコメディ映画「フリーキー・フライデー」(バーバラ・ハリス、ジョディ・フォスター主演)のリメイク。
本作の原題もそのまま"FREAKY FRIDAY"。

本作は、フォーチュン・クッキーの呪い(?)で、心と体が入れ替わってしまった精神科医の母とロック少女が、お互いの視線でお互いの生活をおくることによる大騒動を描きつつ、次第に相手の気持ちに気づいていく姿をコミカルに描いている。

主演は、ホラーからアクション、コメディまでこなす、「トゥルーライズ」、「ブルー・スチール」のジェイミー・リー・カーティスと全米ティーンのアイドル「ファミリー・ゲーム/双子の天使」のリンゼイ・ローハン。

几帳面で完璧主義者の精神科医テス(ジェイミー・リー・カーティス)は、2日後に再婚相手との結婚を控えていた。
彼女は、高校の反省室常連でロックに夢中な娘アンナ(リンゼイ・ローハン)が再婚相手と打ち解けないことに頭を抱えていた。
一方アンナも、子供の気持ちを理解しない、旧態然とした母親テスに不満を持っていた。その根底には3年前に亡くなった父親をないがしろにして再婚しようとしている母親への確執があった。

結婚式を明後日に控えた日、テスとアンナは、家族と再婚相手らと出かけたチャイニーズレストランで大喧嘩を始めてしまう。
店のオーナーの母ペイペイが仲直りのためにとふたりに「フォーチュン・クッキー(おみくじの入った中国の焼き菓子)」を2人に差し出す。そしてそれを口にした2人には、翌朝思いもよらぬ事態が待っていたのだ・・・・。

身体は女子高校生で中身は精神科医の(外見は)リンゼイ・ローハンと、身体は精神科医で再婚を控えた母親で中身はロック少女の(外見は)ジェイミー・リー・カーティス。
なんと言っても、この二人の怪演が素晴らしい。

ジェイミー・リー・カーティスは、「トゥルーライズ」系のコメディ路線、特に「トゥルーライズ」のストリップのシークエンスを突き詰めた役柄のような印象を受けます。
彼女の俳優としてのキャリアの始めは、ほとんどホラー映画でしめられていますが、最近はコメディ系の役が多いのではないでしょうか。
わたしが言うのも何ですが、素晴らしいコメディエンヌになってきたと思います。

印象的なシークエンスは、娘のボーイ・フレンドとのロック談義と、なんと言っても、ロックのオーディションのシークエンス、そして乾杯前のスピーチでしょう。
乾杯前のスピーチでは、思わず感動すらしてしまいます。
オーディションの舞台裏での姿も格好良すぎです。

一方リンゼイ・ローハンですが、わたしは彼女の女優としてのキャリアはあまり知りませんが、本作では大変素晴らしい印象を観客に与えています。
当初は母親に反抗する、嫌〜な感じのハイスクール・ガールだったのですが、表現は微妙ですが、中に母親が入ってから、いきなり魅力的になってきます。
そして、例のスピーチの場面で、なんと美味しいところを総取りしてしまうのです。
ちょっと冷静に考えてみると、例の二つのスピーチをやっているのは、実はリンゼイ・ローハンの中身である、というのも興味深いです。

あと、エンディングのリンゼイ・ローハンのライヴ・シーンもセクシーで格好良いです。いやあ、今後のキャリアが楽しみな女優の登場です。

わたし的には、最近のヤング・アダルト女優では、リーリー・ソビエスキーがお気に入りでしたが、また新たなお気に入りの女優が出てきました。ちょっと年代にずれがありますけどね。

親と子の確執、というものは、永遠のテーマだと思います。
この映画は、その永遠のテーマを親と子の心と身体が入替わる事により、結果的には相互理解させる、という一見ベタな作品ですが、コメディながら、物語に対して非常に真摯にとりくんだ作品です。
とにかく、この映画は多分見逃されてしまう可能性が高い作品だと思いますが、機会がありましたら、是非観ていただきたい良質のコメディです。

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tkr

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