「ゲロッパ!」

2003年9月2日
井筒和幸の新作で話題の「ゲロッパ!」を観た。

一言で言うならば、面白い映画だったのだ。

ここ数年、メディアに取り上げられ、敵も味方も数多く作ってきた井筒和幸であるが、聞くところによると、「今、日本で一番面白い映画を作らなければならない映画監督」だということである。
「ゲロッパ!」はそんな監督が満を持して製作した作品なのだ。

そういったこともあり、メディアの力なのか、井筒の力なのか、キャストもスタッフも良いところが集まっているようである。

例えるならば、テレンス・マリックの20年ぶりの映画である「シン・レッド・ライン」の製作を聞き、ノー・ギャラでも良いから出演したい、ということでオール・スター・キャストがちょい役のために集まったように、この映画にも同様にキャストが集ったような印象を受けた。
誤解を恐れず、悪く言わせていただくならば、「今の井筒の映画に出ておけば、何かと美味しい」と考えたキャストが集まっているような印象を受けたのだ。

しかしながら、その集まったキャストはテレビ・タレントだけという訳ではなく、映画俳優、舞台俳優が多く集まっているのが好印象なのである。
これで、ただ単に旬なタレントが集まっているだけなら、幻滅なのだが、塩見三省や根岸季衣あたりが平気で出てくるあたり、一味違うような気がした。
しかも、癖ある皆さんの大集合で、正にオール・スター・キャストと言って差し支えないだろう。

気になる物語はいかにも日本人受けしそうな、浪花節的人情コメディである。
なんとも日本人が好みそうな、普遍的なキーワードを散りばめているのが、若干いやらしいが、それは勿論戦略的なものなので、それはそれでOKなのだ。

あとは音楽だね。
ソウル系、ファンク系が好きな人にはたまらない選曲なのだ。
事実、ファーストカットの煙突だけで、わたしは泣きそうになってしまうのだね。これが。
音楽の力は偉大なのだ。

音楽映画的には、西田のJBあたりを見ると、アラン・パーカーの「ザ・コミットメンツ」のラスト近辺の大物飛入り!?のような印象も受けた。
また新幹線の中の西田敏行と岸部一徳、ラスト近辺の警察車両の中でのヴォーカルは、これまた「ザ・コミットメンツ」の地下鉄シーンに繋がる、音楽映画史に残る名シーンとなるのではないだろうか。(勿論嘘)

いつもならば、キャストについて、いちいちコメントするところなのだが、今回は芸達者の皆さんが各所各所で非常に印象的な演技を残しているので、コメント不能なのだ。
コメントしだしたらキリが無い。ということね。

たまには日本映画を観たいな。という人にはオススメの一本なのだ。
「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ」を観るなら「ゲロッパ!」観て欲しいな。個人的にはね。

コメント

tkr

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索