ひとりで出来る自主制作映画

その2 それでもフィルムで撮りたいんだ!

映像作品を制作する上で、最初に考えなければならないのは、映像メディアの選択でしょう。

いまさら何言ってるんだ、ビデオに決まってるだろ!ビデオに!!
と思った方は、今回は読み飛ばして下さい。

おそらく、自主制作映画を志す人の多くは、なんと言ってもフィルムで映像作品を制作したいのではないでしょうか。
事実、わたしも出来ることならば、一生に一本くらいは35mmフィルムで映画を撮ってみたいと考えています。
しかし、35mmフィルムで映画を自主制作する、というのはあまりにも実際的ではないと思いますし、自主制作に限定した場合、制作が技術的に可能なフィルム・メディアは8mmフィルム、もしくは16mmフィルムだと考えるのが一般的です。

そこで、当コンテンツ「ひとりで出来る自主制作映画」では、まず最初に、8mmフィルムでの自主制作映画について考えていくことにします。
当コンテンツ「ひとりで出来る自主制作映画」では、最終的にDVmini規格に則った自主制作映画を提案していくことになるのですが、先ずは前段として8mmフィルムでの自主制作映画の於かれている現状を明確にしていきたいと思います。

それでは、8mmフィルムでの自主制作映画の制作工程について考えてみましょう。

0.事前準備

映像メディアが異なっても、事前準備でやらなければならないことには、差が無いので詳細は割愛します。

1.撮影

撮影には、撮影機材として、当然8mmカメラが必要です。
8mmカメラには、現在中古市場に流通しているもので、シングル8(フジフィルム系)というフィルムを使用するものと、スーパー8(コダック系)というフィルムを使用するものがあり、カメラ本体の実売価格は、中古のもので3〜30万円程度のようです。
因みに、シングル8を使用するカメラの方が一般的に技術的高度な撮影を行うことが出来、価格的にも高いようです。

撮影には勿論、フィルムも必要です。
シングル8、スーパー8ともに、日本国内で細々と流通はしているようですが、DVmini等のビデオテープと比較すると圧倒的に、入手が困難となっていますし高価です。
また、フィルムはご承知のように現像が必要ですので、現像サービスを行っている業者を見つけることが重要です。
撮影のランニング・コストとしては、3分20秒のフィルムの場合、現像代込みで2〜3,000円程度のようです。
なお、シングル8はフジフィルムが日本国内で現像を行っていますが、スーパー8の現像は原則的に海外での現像のようです。

因みにその3分20秒のフィルムの中で実際本編に使えるのは、どれくらいの割合になるのかは、スタッフやキャストの質に左右されることになりますが、わたしの経験では、15〜20分くらいの作品を作る場合、3分20秒のフィルムを7〜12本くらい使用することになります。

2.編集

編集には、フィルムを切ったり繋げたりするためのスプライサーという機材と、フィルムを小さなスクリーンに投影し、カットの繋ぎを確認するためのビュワーエディターという機材が必要です。実売価格は両方合わせて4〜5万円程度のようです。
別途、フィルムを繋げるためにスプライシング・テープやフィルムをまとめるためのリール等が必要です。

3.録音

録音には、録音機能付の映写機があれば基本的になんとかなります。
但し、8mmフィルムには、サウンドトラックが2chしかありませんので、ステレオで音楽を入れて、その上でセリフをかぶせたい、とか、音楽とセリフと物音を同時に収録したい、というような希望がある場合は、4ch程度のミキサーや、場合によってはマルチトラック・レコーダー等が必要になります。
(まあ、この辺は努力とアイディアで何とかなると思いますが、念の為。)
映写機の実売価格としては、8〜15万円位のようです。
また、フィルムによっては、最初は磁気がついていないものもありますが、この磁気なしフィルムを磁気録音できるように、マグネコーティングという工程を行う必要があります。
費用は、3分20秒で、4,000円程度です。

4.映写

映写のためには、映写機とスクリーンが必要ですが、映写機は前項の通りです。
スクリーンはとりあえずはシーツでも何でもOKです。

それでは、コストを計算してみましょう。

イニシャル・コスト
200,000円 カメラ
50,000円 スプライサーとビュワーエディター
150,000円 映写機
400,000円 合計

ランニング・コスト (15分のショート・フィルム制作費用として)
30,000円 フィルム及び現像代10本分
12,000円 マグネコーティング
10,000円 リール、スプライシング・テープ等雑費
52,000円 合計

とりあえず、初期投資として400,000円あれば、映画の自主制作は可能ですが、15分の作品を制作する度に、5〜10万円程度のコストがかかることになりますね。

ひとりで出来る自主制作映画 その3
http://diarynote.jp/d/29346/20030812.html

ひとりで出来る自主制作映画 その1
http://diarynote.jp/d/29346/20030806.html

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