「シカゴ」

2003年5月31日
5月30日は、ワーナー・マイカル・シネマズ板橋の3周年記念だそうで、1本1,000円だったので、「シカゴ」と「アバウト・シュミット」を観た。

で、まずは「シカゴ」。

この映画を見て最初に感じたのは、役者の目の色が違う、ということ。観客に対して、正に挑むような、挑戦的な野獣の目を感じました。これだけを見てもこの映画のプライドというか気概というか、確固たる孤高なスタンスを感じることが出来たのだ。
多分下手するとはじめての経験かもしれません。わたし的には。

また、細かいカット割と、その細かいカットにクローズアップショットが多用されている点が印象的でした。
特に振り付けのアクセントとなる動きのクローズアップが格好良いのだ。

あとは、ラスト直前の「パットン大戦車軍団」のスピーチみたいなステージでの広角でのドーリーは凄いぞ。正に鳥肌ものの映像でした。
(このカットはTVCFでもつかわれてます。)

しつこいけど、振付の細かいカットが、何しろ格好良いですね。
ロングで撮ってて、振り付けのアクセント部分だけ、例えば足元だとか、指先だとかをクローズアップで撮る。これは舞台だと絶対に出来ないことですからね。それでいて、ライヴ感を醸し出す、素晴らしい演出と編集ですね。

あとは映画自体の構成が見事でした。勿論この構成には「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という良いお手本があったのだと思いますが、複数の舞台の同じ演技を編集で繋いでいく手法は見事なのだ。

役者については、なんといっても、レニー・ゼルウィガーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズに尽きます。わたし的にはレニー・ゼルウィガーが非常に良かったです。
最初の登場シークエンス(ヴェルマの舞台)では、ただの野暮ったい田舎娘だったんですが、刑務所あたりから、非常に輝いてきてますよね。
これは勿論ゼタ=ジョーンズとの対比なのですが、正に術中にはまった感がありました。

印象に残ったミュージカル・シーンは、記者会見のマリオネットです。振付・演出は勿論、それを体現する動きが素晴らしいです。人形の動き再現する訳ですから(人間に出来ない動きをする訳ですから)、物理的に一番危険なシークエンスですよね。

あとミスター・セロファンも良かったですね。
ジョン・C・ライリーは最近出番多いですよね。
こないだの「ギャング・オブ・ニューヨーク」同様良い味だしてます。

ところで、ラストとロキシーのオーディションでかかる"Nowadays"は、「また会いましょう」にコード進行とメロディラインがそっくりですが、同じ曲とは思えないのですが、どうなんでしょう。とても気になります。

※「また会いましょう」"We’ll Meet Again"
映画では「博士の異常な愛情」のラストで使われた曲。第二次世界大戦時にヒットしたヴェラ・リンのスタンダード・ナンバー。

余談ですが、コルム・フィオーレって表記が変わったんですかね。以前はコルム・フィオールでしたよね。
因みに彼、テレビ・ムービー「ストーム・オブ・センチュリー」(「スティーヴン・キングの悪魔の嵐」)のアンドレ・リノージュさんです。


「シカゴ」
"CHICAGO"
ミラマックス・フィルムズ提供
プロデャーサーサークルCO、制作
ゼイダン/メロン制作
2002年/アメリカ映画/カラー/ビスタサイズ/SRD、SDDS/上映時間:1時間53分
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、クイーン・ラティファ、ジョン・C・ライリー、ルーシー・リュー、テイ・ディッグズ、コルム・フィオーレ、ドミニク・ウェスト、クリスティン・バランスキー

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