さて、スティーヴン・キング ファンの中では賛否両論の映画「ドリームキャッチャー」ですが、わたし的には、いくつか問題点はあるものの、非常によく出来た娯楽作品に仕上がっていると思いました。
一番残念だったのはモーガン・フリーマンの扱いが少し小さかった、という点です。

脚本も概ねよく出来ていたし、撮影も良かった、クリーチャーのデザインもOK、勿論演出も良かったと思います。
緊迫感を生むタメの演出が非常に印象的でした。
はっきり言って、演出「上手い」です。
また、監督のビジョンを明確に実現するVFXも評価できると思います。

ただ、やはり問題点としては、キングの原作が長大過ぎた。と言う点があげられます。
しかしながら、あの原作をこれくらいの尺に見事にまとめたローレンス・カスダンの手腕は賞賛すべきものだと思います。
また主要キャラクターの描き分けについても、本編だけではなくエンディング・クレジットをうまく使っている点が、好感を持てるのは勿論、観客の記憶に訴えかける素晴らしい効果を与えていました。

というわけで、本作はキング作品の映画化の中では傑作の部類に入ると思いますし、一般の映画としても十分佳作と評価して良い作品だと思います。

おそらくB級スピリッツあふれる作品を配給会社が大作として、広告してしまったのだと思っていたのですが、B級テイストはほぼ皆無で、
十分その辺の大作映画と肩を並べられる映画だと思いました。

ローレンス・カスダンのオススメは、「再会の時」、「シルバラード」というところでしょうか。
本作にも「シルバラード」や「再会の時」を髣髴とさせるシーンがありました。

「ドリームキャッチャー」
"DREAMCATCHER"
2003年/アメリカ映画/キャッスルロック・エンターテインメント作品/ワーナー・ブラザーズ映画配給/2時間15分/3699m/シネマスコープサイズ/SRD SDDS DTS/字幕翻訳:石田泰子
監督:ローレンス・カスダン
出演:トーマス・ジェーン、ジェイソン・リー、ダミアン・ルイス、ティモシー・オリファント、モーガン・フリーマン、トム・サイズモア、ドニー・ウォールバーグ

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tkr

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