池袋新文芸坐の『気になる日本映画達(アイツラ)2002』で「ロックンロールミシン」を観た。
と、言っても、実は例によって3月22日の話だがね・・・・。

「ひまわり」、「贅沢な骨」、「GO」等の行定勲の「ロックンロールミシン」を観た。
予告編を見ると、脱サラした主人公が見る夢の物語のような印象を受けたのだが、本編もほぼその通りだった。
脱サラして、池内博之、りょう、水橋研二らが立ち上げたデザイナーズ・ブランド「ストロボ・ラッシュ」に飛び込んだ加瀬亮が体験する一夏の期間限定の夢を描いている。

事実、ラストの会社でのシークエンス(「ストロボ・ラッシュ」のTシャツを着た不法滞在者のニュースを見て、ほこらしげに写真を飾る加瀬亮)に行き場の無い怒りすら感じてしまう。

会社といういわば人生の安全地帯に居る加瀬と、人生の最前線で戦う池内やりょう、水橋らを対比するとおそらく加瀬に対して観客は良い印象は受けないだろう。

この映画は、全編ファンタジーで貫いているのだが、加瀬のサラリーマン的な描写がリアリティを醸し出し、行き場の無い感情を感化されるのだ。

映像的には、同カットのシチュエーションのリフレインが効果的な印象を与える。
画質は、35mmでとったのかどうかはわからないが、16mmテイストで、インディーズ的なリアリティを付与している。
脚本は比較的ベタで想像の域をでないが、一応のどんでん返しのTシャツがある種のカタルシスとメディアを利用した希望を感じられる。

キャストは、やはり池内博之である。存在感、カリスマ性、才能、苦悩を感じさせる良い役をこなしていた。
りょうについてはテレビドラマで見られるような骨子が整っていない曖昧な演技ではなく、本作では明確な骨子を持ったキャラクターとして描写されており、良い印象を受けた。
加瀬亮は、サラリーマンからファッション系までを演じ分け面白かったが、役柄的にちと微妙な印象を受けた。
水橋研二は良いですね。「月光の囁き」で注目の水橋だが、全く別の印象で、良い役者だと思った。

スローラーナーの「ロックンロールミシン」のページ
http://www.slowlearner.co.jp/movies/rrm/index.shtml

「ロックンロールミシン」
2002年/日本/上映時間:120分
監督:行定勲
出演:池内博之、りょう、加瀬亮、水橋研二、粟田麗、津田寛治

コメント

tkr

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索