「ギャング・オブ・ニューヨーク」
2003年1月21日ハリウッド映画なんか観ている場合ではない!
と言いながらも、今日は「ギャング・オブ・ニューヨーク」のお話です。
まず最初に、私見ですが、わたしはラストで現実に戻されてしまう映画のラストが嫌いです。
例えば「シンドラーのリスト」や「ドアーズ」のような映画のラストです。
物語はラストを迎え盛り上がり、映画の持つ魔法の力が如何なく発揮されているのにも関わらず、シンドラーに助けられた人たちが花を持って現れたり、ジム・モリスンの墓が出てきたりしてしまうと、魔法の力は霧散してしまうのです。
この「ギャング・オブ・ニューヨーク」もこれらの映画同様、魔法の力を滅してしまうカットがラストに入っているのです。こりゃ残念ですね。
今までの感動はなんだったのだ!!
という感じです。
もひとつ、エンド・クレジットに歌ものを使うのも嫌いです。勿論U2はアイルランド出身のバンドですし、物語の主旨に合致しているのはわかりますが、いきなり歌はまずいと思います。
エンド・クレジットでは、オケでテーマを少し演奏し、そのうち歌ものにフェード・インすることは出来なかったのでしょうかね。
あと、エンド・クレジットのでかい字(新聞の活字ね)はどうかな。
と、いきなり外枠からはじまりましたが、物語は、はっきり言って想像以上に面白かったです。長尺にも関わらず、全く退屈することがありませんでした。
これは、わたしの敬愛するダニエル・デイ・ルイスをはじめとした渋めのキャストが醸し出すものだと思います。勿論、美術も素晴らしい仕事をしています。セット凄いです。
で、この映画から一番感じたのは、ラストの戦いにおいて、登場人物が争っている事柄は、大きなうねりの中では非常に些細な問題となり、個人など国家の前では、なんの意味もない、ということまで踏み込んでおり、国家に対する批判まで感じることが出来るところが素晴らしいですね。
キャストについては、まずディカプリオですけど、まだいまいちヤングアダルト色というかアイドル的な雰囲気が抜けきれていないようですね。
本作では若干よごれ役が入っていますが、トム・クルーズの「7月4日にうまれて」に匹敵する作品が必要ですね。
キャメロン・ディアスはコメディ系やお色気系ではなくこっちの路線で頑張って欲しいところです。
ダニエル・デイ・ルイスは例によって凄いです。わたし的には「ギャング・オブ・ニューヨーク」の予告編で彼の表情だけで感涙でございます。
一緒に本作を観た人とも話したのですが、感情が顔に書いてあるでしょ。
もう、言葉では表現できないけど、凄すぎです。
また、この映画の後も、ダニエル・デイ・ルイスは再び靴職人だか家具職人だかの修行をはじめちゃったようですが、わたしてきには、たまには姿が見たいものですね。
短い出番ながら、リーアム・ニーソンは強烈な印象を残しますね。ディカプリオの生き方や、ダニエル・デイ・ルイスのある意味孤高な生き方にも影響を与えていますね。
ジョン・C・ライリーも憎々しい悪役を楽しげに演じているようです。
あと、渋めの俳優さんが沢山出てくることにより、画面が締まりますよね。
これによって映画のリアリティも倍増なのだよ。
監督のスコセッシは、ニューヨーク派の監督で、最早巨匠の域に達しているようですね。
本作は「タクシー・ドライバー」や「グッド・フェローズ」の流れをくむ映画だとは思いますが、コマーシャル上、ディカプリオとディアスのラブ・ストーリーで売ってるのがちょっと残念ですね。
勿論、ディカプリオとディアスで客を呼んで、デイ・ルイスで帰す、作戦でOKだと思いますがね。
長くなるので、今日のところはこの辺でやめときます。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
"GANGS OF NEW YORK"
2002年アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ=ルイス、キャメロン・ディアス、リーアム・ニーソン、ヘンリー・トーマス、ブレンダン・グリーン、ジム・ブロードベント、ジョン・C・ライリー、ゲイリー・ルイス
イニシャルエンターテインメント提供
ミラマックスフィルムズ提携
松竹・日本ヘラルド映画配給
カラー/シネマスコープサイズ/字幕翻訳:戸田奈津子
と言いながらも、今日は「ギャング・オブ・ニューヨーク」のお話です。
まず最初に、私見ですが、わたしはラストで現実に戻されてしまう映画のラストが嫌いです。
例えば「シンドラーのリスト」や「ドアーズ」のような映画のラストです。
物語はラストを迎え盛り上がり、映画の持つ魔法の力が如何なく発揮されているのにも関わらず、シンドラーに助けられた人たちが花を持って現れたり、ジム・モリスンの墓が出てきたりしてしまうと、魔法の力は霧散してしまうのです。
この「ギャング・オブ・ニューヨーク」もこれらの映画同様、魔法の力を滅してしまうカットがラストに入っているのです。こりゃ残念ですね。
今までの感動はなんだったのだ!!
という感じです。
もひとつ、エンド・クレジットに歌ものを使うのも嫌いです。勿論U2はアイルランド出身のバンドですし、物語の主旨に合致しているのはわかりますが、いきなり歌はまずいと思います。
エンド・クレジットでは、オケでテーマを少し演奏し、そのうち歌ものにフェード・インすることは出来なかったのでしょうかね。
あと、エンド・クレジットのでかい字(新聞の活字ね)はどうかな。
と、いきなり外枠からはじまりましたが、物語は、はっきり言って想像以上に面白かったです。長尺にも関わらず、全く退屈することがありませんでした。
これは、わたしの敬愛するダニエル・デイ・ルイスをはじめとした渋めのキャストが醸し出すものだと思います。勿論、美術も素晴らしい仕事をしています。セット凄いです。
で、この映画から一番感じたのは、ラストの戦いにおいて、登場人物が争っている事柄は、大きなうねりの中では非常に些細な問題となり、個人など国家の前では、なんの意味もない、ということまで踏み込んでおり、国家に対する批判まで感じることが出来るところが素晴らしいですね。
キャストについては、まずディカプリオですけど、まだいまいちヤングアダルト色というかアイドル的な雰囲気が抜けきれていないようですね。
本作では若干よごれ役が入っていますが、トム・クルーズの「7月4日にうまれて」に匹敵する作品が必要ですね。
キャメロン・ディアスはコメディ系やお色気系ではなくこっちの路線で頑張って欲しいところです。
ダニエル・デイ・ルイスは例によって凄いです。わたし的には「ギャング・オブ・ニューヨーク」の予告編で彼の表情だけで感涙でございます。
一緒に本作を観た人とも話したのですが、感情が顔に書いてあるでしょ。
もう、言葉では表現できないけど、凄すぎです。
また、この映画の後も、ダニエル・デイ・ルイスは再び靴職人だか家具職人だかの修行をはじめちゃったようですが、わたしてきには、たまには姿が見たいものですね。
短い出番ながら、リーアム・ニーソンは強烈な印象を残しますね。ディカプリオの生き方や、ダニエル・デイ・ルイスのある意味孤高な生き方にも影響を与えていますね。
ジョン・C・ライリーも憎々しい悪役を楽しげに演じているようです。
あと、渋めの俳優さんが沢山出てくることにより、画面が締まりますよね。
これによって映画のリアリティも倍増なのだよ。
監督のスコセッシは、ニューヨーク派の監督で、最早巨匠の域に達しているようですね。
本作は「タクシー・ドライバー」や「グッド・フェローズ」の流れをくむ映画だとは思いますが、コマーシャル上、ディカプリオとディアスのラブ・ストーリーで売ってるのがちょっと残念ですね。
勿論、ディカプリオとディアスで客を呼んで、デイ・ルイスで帰す、作戦でOKだと思いますがね。
長くなるので、今日のところはこの辺でやめときます。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
"GANGS OF NEW YORK"
2002年アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ=ルイス、キャメロン・ディアス、リーアム・ニーソン、ヘンリー・トーマス、ブレンダン・グリーン、ジム・ブロードベント、ジョン・C・ライリー、ゲイリー・ルイス
イニシャルエンターテインメント提供
ミラマックスフィルムズ提携
松竹・日本ヘラルド映画配給
カラー/シネマスコープサイズ/字幕翻訳:戸田奈津子
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