「あの子を探して」
2003年1月20日先日お知らせしたとおり、池袋「新文芸座」の「中国映画フェスティバル2003」で張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品「あの子を探して」を観た。
物語は、辺境の小さな村の学校を舞台に、母親の病気のために1ケ月の休暇を取る教員の代理教員として28名の児童達の面倒を見ることになってしまった13歳の少女と、街に出稼ぎに行き迷子になってしまった少年を描きつつ、現在の中国と、その中国が抱える教育問題と、メディアに対する批判を描いた秀作である。
そしてこの映画は驚くべきことに、俳優を使っていないのである。全てのキャストは本人か、本当にその商売をしている街や村の人々なのだ。
一番感じたのは、やはり、先日紹介した「初恋のきた道」同様、チャン・イーモウの中国の教育、特に中国の辺境地区の教育を取巻く環境に対する危惧や問題意識、そして、テレビ・メディアを中心とした娯楽第一主義と免罪符的な金を利用し、人助けをしているつもりになっているメディアの力に対する批判と、それでもメディアに迎合してしまう悲しさである。
そこまで考えてしまうと、この映画はとたんに説教臭く、面白くなくなってしまうきらいがあるが、ただ単に物語の表層や、子供たちの振る舞いを追っかけていくと、誰もが感じられる爽やかな感動を与えてくれる映画となっているのだ。
しかし、映画は勿論、表層だけではなく、その映画が表現している暗喩やメタファーを掘り出すのが楽しいのだがね。
こういった映画を観ると、ハリウッド映画なんか観ている場合ではない、と感じてしまうのだ。
「あの子を探して」
「一個都不能少」
"NOT ONE LESS"
監督:チャン・イーモウ
出演:ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン、スン・ジメイ、フォン・ユイイン、リー・ファンファン、チャン・イーチャン、シイ・ジャンチン、リウ・ハンジ、マヘ・クオリン、ウー・ワンルー、リウ・ルー、ワン・シュウラン、フー・シンミン、バイ・メイ
1999年/中国・アメリカ合作/コロンビア ピクチャーズ フィルム プロダクション アジア提供/ヴィスタヴィジョン/カラー/1時間46分/SR/日本語字幕:水野衛子/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
物語は、辺境の小さな村の学校を舞台に、母親の病気のために1ケ月の休暇を取る教員の代理教員として28名の児童達の面倒を見ることになってしまった13歳の少女と、街に出稼ぎに行き迷子になってしまった少年を描きつつ、現在の中国と、その中国が抱える教育問題と、メディアに対する批判を描いた秀作である。
そしてこの映画は驚くべきことに、俳優を使っていないのである。全てのキャストは本人か、本当にその商売をしている街や村の人々なのだ。
一番感じたのは、やはり、先日紹介した「初恋のきた道」同様、チャン・イーモウの中国の教育、特に中国の辺境地区の教育を取巻く環境に対する危惧や問題意識、そして、テレビ・メディアを中心とした娯楽第一主義と免罪符的な金を利用し、人助けをしているつもりになっているメディアの力に対する批判と、それでもメディアに迎合してしまう悲しさである。
そこまで考えてしまうと、この映画はとたんに説教臭く、面白くなくなってしまうきらいがあるが、ただ単に物語の表層や、子供たちの振る舞いを追っかけていくと、誰もが感じられる爽やかな感動を与えてくれる映画となっているのだ。
しかし、映画は勿論、表層だけではなく、その映画が表現している暗喩やメタファーを掘り出すのが楽しいのだがね。
こういった映画を観ると、ハリウッド映画なんか観ている場合ではない、と感じてしまうのだ。
「あの子を探して」
「一個都不能少」
"NOT ONE LESS"
監督:チャン・イーモウ
出演:ウェイ・ミンジ、チャン・ホエクー、チャン・ジェンダ、カオ・エンマン、スン・ジメイ、フォン・ユイイン、リー・ファンファン、チャン・イーチャン、シイ・ジャンチン、リウ・ハンジ、マヘ・クオリン、ウー・ワンルー、リウ・ルー、ワン・シュウラン、フー・シンミン、バイ・メイ
1999年/中国・アメリカ合作/コロンビア ピクチャーズ フィルム プロダクション アジア提供/ヴィスタヴィジョン/カラー/1時間46分/SR/日本語字幕:水野衛子/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給
コメント