「ザ・リング」

2002年11月26日 映画
平日のレイトだったら「ハリー・ポッターと秘密の部屋」も随分すいてるんじゃないかなと思い、ワーナー・マイカル・シネマズに行ってみた。「ハリポタ」は実際まあまあすいていたのであるが、なんと「ハリポタ」は160分超の映画だったのだ。知らなかった。160分ぶんの元気のなかったわたしは「ハリポタ」は次回のお楽しみということにした。

で、何を見ようかなと思い、デイヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」でわたしの心を鷲掴みにしたナオミ・ワッツの主演作「ザ・リング」を観ることにしたのだ。
「ザ・リング」と言えばご存知のように「リング」のハリウッドのリメイク版である。しかもスティーヴン・スピルバーグのドリームワークスである。しかしながら、スピルバーグの名前は全くクレジットされていないのが興味深い。ついでに、テレビを媒介とするホラー映画といえば、トビー・フーパーの「ポルターガイスト」との共通点も面白いのではないかな。

余談だが「マルホランド・ドライブ」は大傑作である。

さて、「ザ・リング」であるが、結論から言うと大変良質のホラー映画に仕上がっていた。
私見であるが、良質のホラーの条件としては、やはり異形の存在の悲しみが表現されてる必要を感じてしまうのであるが、井戸のシークエンス付近ではサマラの悲しみで涙腺大爆発状態なのだ。
事実、あの後パトカー救急車付近で終わったとしたら、感動の所謂ハリウッド映画となっていたような気がする。勿論そうはならないのであるがね。

ところで、わたしのお気に入りのナオミ・ワッツであるが、若干贔屓目であるのかも知れないのだが大変素晴らしかった。
所謂ホラー映画では、ステレオタイプ的に考えると、悲鳴ばかりのばか女が出てくる事が多いと思うが、ワッツは、それらの女性とは全く異なり、まるで「エイリアン」のシガニー・ウィーバーにも似た、息子のためになんでもしてしまう戦う母親を熱演している。そのためか、この映画の印象は「ゾンバイオ/死霊のしたたり」にも似た印象を受ける。

で、今回の注目株はなんといっても、子役のデイヴィッド・ドーフマンであろう。またもや天才少年現る。と言う感じである。表情自体が既に怖さを表現出来る少年なのである。「シャイニング」のダニー・ロイドもびっくりなのである。輝きを持った少年である。

あと、最初に死んでしまうアンバー・タンブリンもよかったです。今後が楽しみな女優だと思います。今後の注目株です。

気になる物語は「リング」とほとんど同じで、貞子の登場シークエンスの演出もほとんど同じで、若干ものたりなさを感じました。ドリームワークスがどのように「リング」を料理するのかを期待したわたしたちにとっては、若干残念な気がします。

ビデオとサマラらの謎の追求はやはりハリウッド映画、堂に入った脚本と演出、ロケーションが続きまのす。
また、サマラの部屋のシークエンスから畳み掛けるクライマックスへの流れは素晴らしい疾走感があります。しかしながら「リング」と比較すると冗長かも知れません。

とりあえずは、これも誰にでもオススメできる娯楽作品だと思います。

「ザ・リング」
"THE RING"
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、デイヴィッド・ドーフマン、ブライアン・コックス、アンバー・タンブリン、レイチェル・ペラ、ダヴェイ・チェイス
2002年度作品
アスミック・エース エンタテインメント=ドリームワークス・ピクチャーズ提携作品
マクドナルド/バークスプロダクション
SDDS/DTS
上映時間:1時間56分
配給:アスミック・エース
翻訳:戸田奈津子

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