「風に吹かれて」

2002年11月20日 読書
パトリシア・ハイスミスの短編集「風に吹かれて」を読了しました。
パトリシア・ハイスミスと言えば皆さんもご存知のように、かのアルフレッド・ヒッチコックの「見知らぬ乗客」や、ルネ・クレマンの「太陽がいっぱい」、そして勿論「リプリー」の原作者として非常に有名ですね。

ハイスミスはほぼ同時期にヒッチコックとクレマンに見出されたというだけで、一躍時代の寵児となってしまったのは言うまでも無いことだと思いますが、果たして作家としてはどうなのでしょうか。

今回この「風に吹かれて」を読んで感じたのは、精神を患ったような登場人物が多く、また、彼ら登場人物の行動が非常に衝動的で、一
般の常識や論理では彼らの行動をはかれない、非常な空恐ろしさを感じてしまいました。

わたしはまた今回読んだハイスミスの作品に、女性作家をステレオタイプ的に見た典型的な印象を感じ取ることになりました。
つまり、ハイスミスの作品は、論理で構築された物語ではなく、感情により構築された物語である。ということです。

わたしはハイスミスと友達にはなれそうもありません。
が、他の作品をもう少しは読んだみたいと思います。

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tkr

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